「都心部賃貸物件の稼働率・賃貸料共に上昇傾向にあるのではないか?」こういう話をよく耳にするようになりました。
まだ地区や用途によって格差・状況はかなり違っているとはいえ、このことは既に報道され始めました。
理由についてはいろいろなとらえ方があると思いますが、外資と関連づける人が少なくありません。
1990年以降、世界的経済改革が進行して、多くの富豪が生まれ「あちこちに投資している。」という話はよく聞く話です。その投資額は、巨額でなければならないそうです。
しかし、地域紛争問題の多い地域や、急成長を続ける後発大国への投資は、投資家にとって共通したリスクと言われています。
“安心・安全”の文化を持つ日本へ投資される方々は、“金持ちケンカせず”なのかも知れません。
世界の投資家の一部の方々が、ハイリスクハイリターンから、ミドルリスクミドルリターンへと変化してきているのでしょうか?
不動産バブルといわれた時期は、不動産の所有と預金とを比較してどちらが有利かなど、論じられることはほとんどありませんでした。
ここにきて、「長い間続いた資産デフレ(キャピタルロス)不安が解消された。」と報道され、物価も、月0.1%、年1.2%くらいの上昇率と予測する方が多くなってきました。
つまり、現金を持っていると、一年で1.2%づつ目減りすることになり、預金していると、税引後、年1.2%の金利収入があっても実質増減はないことになるわけです。
一方、収益不動産を所有した場合となると、デフレ不安が解消したとはいえ、保有コストは高く、換金性も悪いことに加え、管理の煩わしさがあります。そのため、多くの方は預金と比較し圧倒的に高い利回りでなければ魅力的とはいえないと考えておられるようです。
そこで、建物付不動産の運用利回りの目標を考えてみました。
建物の運用期間は、新築後30年を目安とします。なぜなら、それ以降の収入は、建物の維持費と処分代に充当(強固な建物ほど現状復帰処分コストが高くなります)されてしまうからです。
利回りより、不動産の優遇税制の魅力を重要視する人もあるようですが、それでも表面利回りとなると、運用経費(修繕費、償却費、管理費等)と、諸税(固定資産税・都市計画税、消費税、事業税等)が必要なため、キャピタルゲイン(土地の値上がり益)+インカム(貸付賃料)で、年間6%以上を求められるのではないでしょうか。
いずれにしても、不動産取引が活性化することは、前記諸税の他、取得税・譲渡所得税、印紙税等、国や地方の増収に貢献することは間違いないでしょう。
多くの事業用不動産が、10年余りもの長い間“不良債権”の根源といわれてきました。それらの不良債権といわれた物件は、2年ほど前に、市場からほぼなくなっただろうと報道されています。
ここにきて、どうやら帳簿からも消えたようで、新しい投資のスタートの動きを感じとれるようになりました。
一部には、バブルの再来との見方もあるようですが、20年前の地価上昇時と比べると、決定的な違いがあるようです。
それは、その不動産が“資源として活用し続けられるか”が評価基準になっている点です。
不動産という長期活用資産としての価値が問われているのだと思います。
私たちは、30年後の資産評価がとても大切だと考えて収益物件の開発事業を展開しております。