土地の価格は、立地と各々の特性を考え合わせて決まるわけですが、一般的には近傍地の取引事例が基礎になっています。(取引事例法)
従って、高度利用されていた土地が更地になり、利用されなくても公示価格等変わることはありません。あくまで、高度利用された場合の目安だからです。
しかし、最近の取引は、現実的な活用方法に沿って取引価格が決まることが多くなってきました。収益還元法が基準になってきたからだと思います。
私たち事業者も、従来とは逆の試算で買取希望価格を提示しています。
従 来 ・・・ 土 地 取 得 価 格 + 経費 + 建築費
+ 利益 = 販 売 価 格
現 在 ・・・ 販売が見込める価格 - 建築費 - 経費 -
利益 = 土地取得価格
収益還元法では、同じような土地でも、活用状況によって下記のようになります。
A 駐車場 |
明治5年86万人だった東京の人口は、平成22年4月1日 13,010,279人になり今も増加中とのことです。140年で15倍になったことになります。
この間、震災と大戦で全壊した街ですが、世界からも羨望されるほどの経済発展と、必要なインフラが整備された街になったのです。しかし、そのコストがどれほどで、誰が、どのように負担したか、試算したものを目にしたことはありません。
ターミナル付近では、不況と言われる今も、夜遅くまで若者で賑わっています。そこには、“多様な職場”と“華”があるからだと思います。
このことは、少子化、地域格差が進むなか、さまざまな見方、考え方があるようですが、日本経済活性の源であることは間違いないと思います。
そんな街東京では、“衣”も“食”も“日用品”も、選べて安く手に入ります。
“住”に関しては、ワンルームで、月額5万円以上です。(社会から住民と認められないネットカフェやカプセルホテルを利用しても同じです。)
しかし、郊外からの通勤は、片道30分、往復1時間余計にかかり、時給に換算すると1,000円です。25時間分
月25,000円と交通費5,000円を合わせると、月3万円になります。これが、3万円家賃の郊外より5万円の都心を選択される主な理由です。
その若者達の多くは、「自ら労して食うは、独立自尊の本源なり。」(福沢諭吉)を知って頑張っておられる方々です。私たちは、そんな方々に、できる限り負担の少ない“住”を提供してあげたいと考えています。
程良いプライバシーが保たれた“プライドある住居”。
30年後も“スラムと言わせない街”を目標にしていることで、地域からも、多くのオーナー様からも賛同が得られるようになりました。
不動産取引の最前線にいる私たちは、このコラムで
昨年 5月30日 「不動産取引が細っている。」
〃 7月 2日 「アクセスが急増し、都心アパート市場は供給不足。」
〃 11月 1日 「売り手が“いくらなんでも安過ぎる”と、売り止め、土地売買市場は、お見合い続き。」
等々、その時々ホットな情報を伝えてきました。
今、「売地情報が、バブル以降最も少なくなっています。」
売却を希望されていた方々が、「今は、安過ぎるから…。」と、市場に出されなくなったことが最大の理由だと思われます。
その方々は、土地活用を考え始めておられるようです。
今年1月29日にお伝えしましたが、都心部の土地実勢価格は、現在も、バブル末期のおよそ1/4(概ね商業地1/5、住宅地1/3)です。
これは、ほぼ35年前の水準で、今も変化はありません。
一方、土地を資源として見れば、リターン平均は、35年前と比較し3~5割上昇しています。(用途や目的によって異なります。)[参考コラム]
売りたい方にとっては、判断が難しい時期だと思いますが、買う側にとっては、昨年同様、積極的に動いてみる時期かも知れません。