銀河バンク


“短期間に何百兆円も動く日本の土地資産”
平成22年1月29日

土地資産の実勢価額は、短期間に“日本のGDP494兆円”(2008年)に匹敵する程動いていることがあります。

■土地実勢価格の変化
土地実勢価格は、所在地・法規制、形状・環境、権利関係、時代背景で大きく変ります。
(以前は、路線価と公示価格を基準に、近隣取引事例で決めていました。)
このコラムで使用する価格は、業界の最前線で30年以上、多くの取引に携ってこられた方々へのヒアリングを参考にし、当社のスタッフが客観的に判断した推定価格です。
土地面積については、官庁資料、都市計画図、ゼンリン地図をもとに概算したものです。
民地割合については、官庁資料、ゼンリン地図と現地調査で得た概算数字です。

例1. 新宿通りから都心商業地実勢価格を推測
新宿駅東口から四ツ谷駅までの新宿通りは、2.7㎞です。両側30mまでのすべての土地は商業地域に指定されていて、総面積は約49,000坪です。
その内約32,000坪が民有地とすれば、民有土地資産は下記のようになります。

参考:価格の違いはありますが、このような商業地域は、新宿区だけで上記の25倍に相当する80万坪くらいあります。新宿区の面積は都心5区の約24%です。

例2. 杉並区松ノ木地区から東京区部の専用住宅地実勢価格を推測
松ノ木地区は、杉並区の約66分1ですが、東京23区内の平均的な住宅地です。
この地域の住宅地価格を基準にすると、杉並区民有地全体の資産は次の様になります。杉並区の総面積は約1,000万坪、内民有地は680万坪余りです。

参考:都心5区=約2,278万坪  東京23区の総面積=約1億8,800万坪
   杉並区の民有地=東京23区総面積の3.6%
   新宿通り民有地=東京23区総面積の0.017%


■土地利用状況と利回りの変化
 建付地の割合及び高度(容積)利用状況=ゼンリン地図と現地調査で概算。
 平均階高=航空地図と現地調査で推定。
 専有面積の割合=建設プロジェクトの一般的な算出方法による。
 賃貸金額=賃貸・管理業者へのヒアリングによる平均推定額。
 建物価格=当該時期の建築代相場を50%減価償却したとして算出。
  当該時期平均建築代相場(坪)×1/2(償却後)×建築面積(専有控除前の面積)
 自家使用分については、賃貸した場合の想定賃料

土地が、安定果実を得る資源となるためには、取引が安定していなければなりません。
しかし今、東京の土地実勢価格は極めて不安定で、取引の成立が難しくなっています。
最大の理由は、
  売り手「あまりにも安いので、売るのを見合わせる。」
  買い手「買い時だと考えているが、思うような融資が受けられない。」
◎地価安定へ、私たちからの提言
「公的保証による2番抵当貸出」が一案と考えます。
  短期=実勢価格×20%  長期=実勢価格×30%
税の使途が社会問題となっている今「現実的ではない。」との意見もありますが、地価が安定すれば取引が活性化し、保証リスクより取引税収増、経済波及効果の方が大きいと思います。

防災・防犯、調和をベースに「東京は“安心を文化”に掲げて進化する都市」。私たちは、そんな夢を見ております。


“民に幻なければ国滅ぶ”
平成21年12月28日

国民がすべてを失った65年前、助けを求めに行くところはどこにもありませんでした。
そんな中、家族と地域で支え合いながら、それぞれ「自分は、何ができるか。」を考えて一生懸命やってみたのです。
いつの間にか日本は、総中流社会といわれるようになっていました。
しかし、“新しいが是”、昇るものだけを見続け、古いものに目を向けなくなってしまっていたのです。そして、家族や地域との“和”さえが面倒になってしまったのです。
世界に目を向けると、COP15でもわかるようにもっとひどいことになっていることが分かりました。
これからの世界は、環境・新エネルギー開発・サービス中心に動くでしょうが、日本は、快楽から“安心・癒しの文化”“意義のある古い物”の整備・再生といったスモールビジネス,スロービジネスにも、もっと目を向けるべきではないしょうか。
そのためには、一次産業就労者の社会的地位向上、人のやりたがらない仕事(3K)への評価基準見直しといった、ソフトとハードの就労アンバランス是正は欠かせません。“身近なところから「誰でも始められる。」
それがトレンドとなった時、日本経済再生の第一歩が始まるのではないかと思います。
日本家主クラブは“安心”と“調和”への提案をし続けてまいります。