東日本大震災から、1年になります。
“被災地の復興と共に、日本経済再生”を、みんなで期待したのですが、今も変わらない被災地の現実が毎日テレビに映し出されます。
改めて、1日も早い復興をお祈りいたします。
多くのエコノミストは、日本の不況感について、最大の原因は“デフレ”と見ています。
私たちも、平成21年12月3日のコラムで、“デフレはインフレより恐ろしい?”といってきました。
しかし、デフレの経験と勉強をそれほどしていないこともあり、日本経済の先行きは明るいとはいえません。
そんな中、先日「学生さんへの仕送りが、7万円以下になった。」と報道されました。
平成22年4月8日の日経新聞で「首都圏の私立大学の仕送りが、9年連続減り、9万3,200円。」と報道されてから、まだ、2年経っておりません。
働きながら学ぶ学生さんだけでなく、若年サラリーマンの方々は、将来不安以上に今が大変になっているようです。
住居費の負担が気になるところですが、「職住接近の低賃料住居」に取り組んでいる私たちは、以前から「都心の住居費の下限は5万円。」と言い続けています。
この根拠は、今も変わっておりません。
一方で、都心で収益物件・投資物件の取得を考えておられる方々(都心アパートのオーナー等)は、当然“高利回り投資”を期待されます。
ペーパーによる投資信託・資産運用が社会問題化してきていますが、不動産は、自分の目でいつでも確認できる実物資産です。
インフレターゲットの論議が本格化してきました。
収益不動産への投資が、老後の生活設計の一つとして、益々注目されてきていることを実感しています。
賃貸市場に警戒感がある中で、私たちが提供している新築完成物件の平均賃料は、約6万円/月で、入居率は、シーズン半ばの2月末現在、目標の96%を超えています。
首都圏での大地震対策が求められています。私たちの供給している都心アパートが“安全・安心”であったことを認められる日のための努力を続いてまいります。
手持金だけで土地を購入される方は極めて限定的で、それだけでは、取引も少なく地価は不安定になります。逆に、取得費全額融資が受けられれば、百万人単位ともいわれる潜在需要者の取引が活発になり地価は短期間で上昇します。
地価は、需給バランスで決まりますが、金融政策と不可分で、安定は難しい問題です。
取引活性化は、増税なき税収増の切り札でもあります。【参考コラム】
土地の価格を決めるもう一つの大きな要因は、長期的な“資源としての評価”です。
“人”も資源の一つで、人が集まればその地域の土地評価は上がります。
人資源は今、首都圏でも、二極化が進行しています。
私たちは、長期安定・継続的な事業を目指し、都心部の人資源の将来に注目して土地を仕入れることにしています。
宅地建物取引業者が事業として土地を仕入れる場合は、自分(個人又は法人)で使用するために取得される方とは価格に対する考え方が違うのが一般的です。
・自分で使用する場合
買える価格に対し、必要度を考慮して取得……提供される価格で判断する。
・業者として仕入れる場合
販売見込価格を想定し、事業支出の一部として取得……買える価格を提示する。
事業者は、他の事業者と事業計画内容で競いながら、常に自家使用者と競争するという形になります。
私たちの事業では、平成21年秋から昨年秋までの2年間、仕入れ価格が大きく変わることなく安定していました。しかし、昨年秋以降は、自家使用者に価格面で勝てる事が少なくなってきました。自分で使用される方の購入が増えていると判断しています。
金融機関が、土地の下げ止まりを実感し、融資に前向きになってきているからかも知れません。
バブルとリーマンショックの後遺症が癒え、選ばれた方への貸付金利は史上最低となっている今、潜在需要者が動き始めたようです。
1月16日「福島県の砕石場から放射性物質に汚染されたとみられる石が出荷されている。」と伝えられました。
私たちの現場には、該当地方からの入荷はありませんでしたが、原発事故以後に砕石を入荷し、使用しているすべての現場の“放射能の測定”をその日のうちに始めました。
1月末に完了しましたが、最大放射線量でも人体への影響基準が懸念される現場はありませんでした。
調査方法と現場毎の結果は、写真と共に残すことにしてあります。
1月23日「首都直下地震、4年以内の発生確率70%、M7クラス」との報道がありました。
衝撃的で、その後も、更に危険度が高いとの報道もありますが、私たちはこの事業を始めてから今日まで、それを想定し、“対応できる家”を目指しています。信頼し購入して下さる方々にも、このことを伝え続けています。
私たちが提供したアパートは、昨年の東日本大震災による「被害は0」でした
大地震がこないことを祈りたいのですが、残念ながら自然は許してくれないかも知れません。
これからも“壊れない”“傾かない”“燃えない”木造在来住宅をお渡しするため、安全基準遵守は勿論、想定外とならいための努力も続けてまいります。
以下は、昭和31年12月25日 帝国書院発行、新詳高等地図の「日本の統計」資料から拾ったものです。
この資料は、日本が半世紀でどのように変わったかを知るには充分ではありません。
ただ、その時代を生きる中で、夢はそれぞれ違っても、「日本の心が一つになって、みんなで頑張っていた。」という強い思いは感じ取れます。
日本は、今年3月11日に歴史的な大災害を受けてしまいました。
“日本の心は一つ”を確認しあい、世界からも認められました。
今も、50年前も、それぞれ環境に違いはあることは同じです。
しかし、国民一人一人が自分の責任で頑張るという力強さには違いがあるように思えます。
時代は変わりつづけますが、地球の大きさは変わるわけではありません。
「世界全体が幸福にならないかぎりは、個人の幸福はありえない。」と、岩手の空で宮沢賢治が、今も言いつづけていることでしょう。