“土地の価格は、利用状況によって異なる”

土地の価格は、立地と各々の特性を考え合わせて決まるわけですが、一般的には近傍地の取引事例が基礎になっています。(取引事例法)
従って、高度利用されていた土地が更地になり、利用されなくても公示価格等変わることはありません。あくまで、高度利用された場合の目安だからです。
しかし、最近の取引は、現実的な活用方法に沿って取引価格が決まることが多くなってきました。収益還元法が基準になってきたからだと思います。

私たち事業者も、従来とは逆の試算で買取希望価格を提示しています。
 従  来 ・・・ 土 地 取 得 価 格 + 経費 + 建築費 + 利益 = 販 売 価 格
 現  在 ・・・ 販売が見込める価格 - 建築費 - 経費 - 利益 = 土地取得価格

収益還元法では、同じような土地でも、活用状況によって下記のようになります。

 

駐車場
見込み年収170万円-80万円(必要経費)=90万円(実質年収)
※固定資産税軽減適用外
90万円÷0.06=1,500万円(土地評価額)+α(高度利用期待)
1,500万円÷25(坪)=坪60万円+α

事業用アパート
見込み年収560万円-95万円(必要経費)=465万円(実質年収)
465万円÷0.06=7,750万円(不動産評価額)
7,750万円-2,400万円(建物代)=5,350万円(土地評価額)
5,350万円÷25(坪)=坪214万円

戸建住宅
継続的に借りた場合の賃料 年360万円想定 実質年収)
360万円÷0.06=6,000万円(不動産評価額)
6,000万円-2,000万円(建物代)=4,000万円(土地評価額)
4,000万円÷25(坪)=坪160万円

※上記0.06(目標利回り)は、世情や目的によって変わります。

このように、ほぼ同条件の土地でも、利用状況により収益還元評価では大きな違いになります。
但し、お売りになる方は、近傍地価を参考に決断されますから、買い手の事情(利用目的)だけで取引が成立することは稀です。
平成22年8月1日 銀河バンクより