都心不動産最前線
都心の一等地が過剰になる事はありません

9月20日国交省から、2016年7月1日現在の基準地価が発表されました。
基準地価は、比較的実勢価格に近いことから、新聞等で、地価の動向・予測も同時に報道されているようです。しかし、その見方は様々です。
特に、東京に対しては、2020年以降の見方が分かれています。
私たちは、今後の地価は、長期間安定した果実が得られるかどうかによって、地域格差が拡大すると考えています。
東京でも、恒久的なインフラの整備が急ピッチで進められ、耐震高層ビルが次々に建てられている地域では、販売されている物件は、価格の設定を間違えなければ引き続き好調が続くと思います。
特に需要の多い都心部では、ハウスメーカーの戸建て用地確保の苦戦が続きます。
しかし、耐震マンションへの買い替え需要はこれからも続くとはいえ、土地が取得し易い郊外マンションは、過剰になる可能性はあるのではないでしょうか。
いずれにしても、都心の一等地には、過剰になるほど売り地はありませんし、資源として利用されていない土地も限定的です。
ここ一年の不動産需要には、キャピタルゲイン目的で短期所有を考えておられる方もあるようですが、いつでもどこでもあることで、その割合は極僅かです。

長期金利の動向によっては、不動産投資加熱によるバブル崩壊の再燃という見方があるようですが、状況の分析が大切ではないでしょうか。
〈参考〉バブル崩壊末期市場(平成2年後半〜3年始)
以下は、中野区周辺のワンルームアパートについて、
当時の関係者への聴き取りによるものです。(一部は推定)

  • 土地価格…現在のほぼ2倍
  • 建物代…1室(8m2〜18m2)600万円〜1500万円、木造、鉄骨、RC造 無完了検査、旧耐震・不燃基準
  • 賃料…6万円〜20万円、稼働率…0〜70%
  • 管理…職人不足もあり杜撰なケースが多くあったが、あまりトラブルにならない
  • 売買価格…1室(新築)1,500〜5,000万円
  • 表面利回り…1.5%〜3%
  • 事業資金(土地代、建築代)…融資100%+α、金利8〜14%(2、3番抵当可)
  • 借入先…信金、信組、地銀、都市銀、ノンバンク
  • 事業・工事期間…3ヶ月〜実質期限無
  • 地価上昇率…年20〜30%

    ※不動産長期継続所有の原則(維持費+借入返済 < 果実)無視

個人が不動産を取得する資金は、無償で受ける場合を除き、貯蓄か借入、又は合わせたものです。
長期的には、表面利回り4〜5%程度しか期待出来ない中で、借り入れて投資物件を取得される場合は、返済期間にもよりますが、2%台の金利に対応出来る頭金での取得を提案します。
又、売却や建て替え時の早い対応のため、所有形態、相続時の分割方法も考えておくことが大切だと思います。

私たちは、今、不動産を取得されている方々は、”安心への投資”と考えられておられる部分が多く、健全な状態と考えています。

平成28年10月5日 銀河バンクより